サイン関連企業による全国ネットワークを展開するサインの森は2月24日、全152社の会員を対象に「新型コロナウイルスに関する影響について」のアンケート調査を実施。3月1日時点で59社からの回答が得られ、その結果を取りまとめた。
これによると、まず「社内及び社員家族に感染者が出ましたか?」という質問に対しては、約半数の47.5%がYESと回答。その具体的な対策として、リモートワークの実施や検温、マスクの着用、パーテーションの設置、アルコール除菌の徹底など一般的な措置はほとんどの企業が行っていたものの、このパンデミック下ではある程度の感染は免れなかったようだ。
陽性者、または濃厚接触者に対してはコロナ特例の特別休暇を取得した例もあったほか、「保健所のPCR検査に時間がかかる状況だったため、民間の検査を活用して早急に対応した」「社員のみをその家族からホテルに隔離をした」など、臨機応変な対応も見られた。
一方で、「取引先や協力業者で感染者が出て仕事が滞ることがありましたか?」という質問に関しては、71.2%がNOと回答し、感染者によって仕事に遅れが生じる傾向は比較的低いと分かった。コロナ禍初期の2020年頃は軒並み案件がストップしていたのを考えると、全体的に対応慣れしてきているとうかがえる。
また、「仮に社内感染で会社が休むことになった場合の対策は考えていますか?」については、半数を超える55.9%がYESと回答したのも興味深い。リモートワークや外注先とのパイプを強化したり、コロナ保険に加入、緊急時のマニュアルを作成するといった対策を取り、有事に備えている企業が多いという。
そのなかでも、特に話題に挙がっていたのは、例会でも議題のひとつとなった「BCP」についてだ。これは、Business Continuity Planningの略で、災害などの緊急事態における企業や団体の事業継続計画をあらかじめ立てておく取り組みを指す。
「BCP(事業継続計画)を知っていますか?」の質問には、過半数の71.2%がYESと答えた半面、「BCP(事業継続計画)の認定を受けていますか?」には、66.7%がNOと回答。さらに、「BCP(事業継続計画)に興味はありますか?」は抜きん出て81.8%がYESと答えた。多くの経営者が興味を持っているものの、具体的な施策を講じている企業はまだ少ないのが現状のようだ。
このほか、「密なコミュニケーションを図れず、情報・技能・ノウハウの共有不足になりつつあり、新しい方法を模索している」「早く収束して、イベントや観光事業に復活してもらいたい」「先行きの見通せない時代に社員がやりがいやモチベーションを維持できるよう会社として常に考えている」「コロナ禍でトレンドの変化はより加速し、従来型のサインだけでは商機をつかめなくなっている。今後はより複雑な加工や動画コンテンツなど新たな技術を獲得していきたい」など、コロナ禍に悩まされるさまざまな意見も寄せられた。
サインの森では、今後も継続的に会員間での情報交換を実施。事業継続に役立つ情報の発信に努めていくとしている。