防犯上の理由から屋外広告の灯りが絶えない街として有名なニューヨーク・タイムズスクエア。これに倣うかのよう、東京の屋外広告一等地・渋谷スクランブル交差点では著しい電子媒体化が進んでいる。2019年1月1日には、渋谷駅前ビル屋上ボードが約350㎡の大型LEDビジョン「渋谷駅前ビジョン」として一新され、新たに稼働をスタートすることが明らかになった。運用・販売は東急電鉄と東急エージェンシー。
長く渋谷のシンボルの1つとして親しまれた同屋上ボードは、2018年8月20日前後から約5ヶ月にわたって改修が進められてきた。今回のリニューアルにより、外照式の短期シート貼り広告媒体から大型LEDビジョンに生まれ変わる。
そのサイズはH16×W20mで、総面積は350㎡に達する。高品質チップで構成するLEDパネルを採用し、全方向から表示映像を鮮明に視認することができるとしている。
東急グループでは、東急線沿線や東急バスの交通広告媒体、渋谷駅周辺の屋外広告媒体を「TOKYU OOH」として展開・販売している。渋谷駅前ビジョンは、Q FRONT壁面の「Q’S EYE(キューズアイ)」に続き、TOKYU OOHとして渋谷で2基目の電子媒体になる。
スマートフォンと連動した双方向配信をはじめ、天気や湿度にリンクして放映するリアルタイム配信などにも対応可能な、次世代メディアとして運用していく方針だ。
スクランブル交差点には、すでにDHC Channel、グリコビジョン、109フォーラムビジョン、Q’S EYEといった大型ビジョンが軒を連ねている。これらの既設5面と渋谷駅前ビジョンを連動させることにより、シンクロ放映などのスクランブル交差点をジャックした一層インパクトのある広告宣伝も実現する。
1週間の来街者が約245万人に上る渋谷は、世界各国のテレビ放映などマス媒体での露出頻度も高く、全世界に向けた情報発信力を持つメディア都市として、国内外問わず様々な企業が大規模な広告宣伝費をこぞって投下している。
近年は、駅周辺建設の再開発も東急グループを中心に進められており、今年9月には「渋谷ストリーム」「渋谷ブリッジ」がオープン。2019年秋には「渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟)」の開業、「渋谷フクラス」の竣工を予定するなど、ますます国内外からの来街者の増加が予想されている。
なお、渋谷駅前ビジョンの工事経過のようすを週単位で記録した写真は次のとおり。