電通イージス・ネットワークは1月11日、世界59カ国・地域から収集したデータに基づく、「世界の広告費成長率予測(2018ー2020)」を発表した。
同社は、電通の海外本社で英国・ロンドンに本拠地を置く。世界の広告費成長率予測は毎年2回のペースで改定と新規予測を実施。今回は2018年と19年予測の改定および、20年の新規予測を行なった。
これによると、18年の世界の広告費成長率は4.1%と、前回予測(18年6月)の3.9%から上方修正となった。19年は3.8%、20年も4.3%と、世界的な経済成長を背景に、今後もデジタル広告がけん引し、堅調な成長が続くと予測している。
媒体別成長率で「屋外/交通」は、18年が4.7%(前回予測:2.2%)、19年が4.0(同:2.1%)と大きく上方修正された。新規予測の20年も3.9%の成長予測となっている。その要因には、大型LEDビジョンなどデジタルサイネージ対応設備の普及が進むことを挙げている。
19年の総広告費は、初めて6000億米ドルを突破した18年を上回る6250億米ドルとなる見通し。19年には、世界最大の広告市場である米国をはじめとする26カ国・地域で、デジタル広告が媒体別構成比でトップになる予測。この勢いは止まることなく、18年にはシェア率38.5%でテレビ広告の35.4%を初めて上回り、19年は41.4%、20年も43.8%とさらに伸長していく見込みだ。
日本市場は大幅に下方修正され、18年に続き19年も1%未満の低成長が続く。18年はFIFAワールドカップといった大型スポーツイベントによるプラス効果があったものの、度重なる自然災害で広告活動を控える動きが広がったほか、将来不安の高まりから消費活動が停滞した。19年には消費増税を控え、マクロ経済指標も減退の傾向にある。20年は東京オリンピック・パラリンピックの開催により、成長率は2.4%に回復する予測となっている。