次に目を引いたのが、英国のファッションデザイナーであり、自身のブランド名にもなっているヴィヴィアン・ウエストウッドの写真。一見、肖像画と言われても分からない重厚感が、水性ベースプリンターのプリンテリア「DIMENSE」の出力によって生み出されている。これは、最大400度でメディアを加熱して発泡させるとともに、その発泡を部分的にストラクチュアルインクで抑制することで、最大厚1㎜の凹凸をプリント可能にしている。
今回写真を提供した小平氏は「私の作品をハイエンドのIJPと壁紙で、さまざまな形で表現してもらい嬉しく思う。これだけ大がかりなサイズをきれいにプリントできるだけでなく、写真を多目的かつ多様性を持って活用できるところにアートの可能性を感じる」と口角を上げる。写真というジャンルの枠を超えて、デジタルプリントとのコラボによるアート、壁紙そのもののアートへの昇華など、今回の展示は新しい写真の魅力を引き出してくれたと続けた。