凸版印刷は10月11日、印刷で培ったカラーマネジメント技術をもとに、カラー電子ペーパーに表示する画像の色調を適切に変換・配信する「カラー電子ペーパーCMS(カラーマネジメントシステム)変換サービス」の開発に成功し、11月から提供を開始すると発表した。
同サービスは、色域の狭い用紙に対して色再現性の向上を目的に開発した、CMS技術をカラー電子ペーパー向けに応用し、その色再現性の向上を達成している。従来、カラー電子ペーパーは発色原理の特性上、カラー再現に課題を持つため、適切な色表現を求められる用途には適さなかった。しかし、今回発表したCMS変換サービスの活用により、店舗・商業施設のPOP用途をはじめ、印刷物の貼り替えで対応していた掲示物、屋外で電源がなくデジタルサイネージを設置できない環境などで、色再現性の高いカラー電子ペーパーとして掲出を可能とする。加えて、導入企業における廃棄ロスや電力の削減などSX(※)の支援にもつながるとしている。
特長としては、まずカラー電子ペーパー専用に調整した、濁りや潰れが起きにくいカラープロファイルにより、色再現を良化させつつ、トーンジャンプに対する適切な画像処理を達成している。 次に、表示したい画像はクラウド上にアップロードし、CMS変換ができるため、各種配信システムとも容易に連携。直接ケーブルを接続する必要もなく、クラウド上で適切な色再現を行った画像のアップロードや、画面切り替えのスケジュール設定もできる。
そして、カラー電子ペーパーの色再現性の良化により、これまで印刷物で対応していたPOP用途での活用はもちろん、電源のない屋外環境での掲出も実現。電子ペーパーは、電源が完全に抜かれている状態でも画面が消えずに表示され続け、画面の切り替わる時だけ電力を消費するという超低消費電力と、屋外での視認性も高いという特長を併せ持ち、さまざまなシーンで活用を見込める。
販売価格はCMS変換サービス利用料として、1カ月あたり7,000円/台となっている。同社では2027年度までに関連受注含め、累計約10億円の売上目標を掲げる。
※ サステナビリティ・トランスフォーメーション