屋外媒体を運営するサーチは3月14日、広告視認者の「属性」「趣味趣向」「消費動向」「移動導線」をスマートフォンから発するSSIDを分析し、可視化する実証実験をJR新橋駅前の「新橋SLビジョン」で開始したことを発表した。
この実証実験は、スマートフォンが発するSSIDを独自開発のWi-Fiセンサーで取得する技術を提供しているOxyzen(オキシゼン)と共同展開。
両社では、屋外広告の視認者をWeb・スマートフォン広告のような個々人ではなく「集団」として把握。 人数・年代・性別・視認態度などの基本データに加え、それらは「どのような人々で、どこへ向かい、目的は何なのか、日々あるいは時間単位でどのように変化するのか」という「集団としての性質」を可視化するとしている。
これにより、広告視認者の「属性」「趣味趣向」「消費動向」「来街目的」の可視化につながる、さまざまなデータを取得できる。なお、取得データには個人を特定する情報は一切含まれない。
今後についてはサーチが開発を進める、屋外広告の費用対効果を可視化するサービス「OOH Analytics」とマッチング。これにより、人数・性別・年代・視認態度などの基本データはもちろん、「広告接触者のコホート(集団としての性質)の把握」を可能にするため、取得データをもとに広告主と広告視認者のエンゲージメントを飛躍的に高められるという。
屋外媒体は現在でも、最寄駅の乗降者数など曖昧な過去のデータを使用しているケースが多く、エビデンス主体のサービス提供に貢献したいというサーチ。同社では今後、取得データを長期間蓄積していけば、現状の把握にとどまらず、再開発や社会情勢による「街の変化」も鮮明にデータ化されるため、広告分野以外での活用も見込めるとしている。