奈良市は9月28日、県内初となる公共電柱の広告スペースに、避難場所などの防災情報を表示する啓発事業を開始すると発表した。
この事業は、県内の自治体としては初めて奈良県下電柱協議会と「公共電柱広告(防災情報等表示付き)に関する協定」を9月20日に締結したことによるもので、公共電柱の広告スペースを活かした災害時の情報提供や平時からの防災意識向上といった取組みを、市は支出を伴わず実施可能としている。
「公共電柱広告」は、災害時には通勤や通学途中などで最寄りの避難場所が分からない人でも、表示されている現在地・避難場所名に加え、添付のQRコードをスマートフォンから読み取って避難場所へのルートを確認できる。平常時にも、電柱という日常生活の目線に近い位置で、避難場所の周知や防災意識の向上を図ることが可能だ。
今回の協定締結により、防災情報の上部スペースに電柱広告を出稿するクライアントにとっても、広告看板制作費の割引が適用されるなどのメリットが生まれる。市では電柱広告の掲出数が拡大すれば、防災意識の啓発効果が高まることからも、官民連携による防災事業と位置付けて推進していく。
具体的な看板制作費の割引は、通常1個あたり18,000円から12,000円になる。更に2019年3月31日までの申込み分については、10,000円。月額広告料は地域で異なり1,800円〜2,300円。最低契約期間は3年で、それ以降は1年更新。
なお、「公共電柱広告」は近畿エリアでは大阪府・兵庫県・和歌山県内の48自治体と協定が締結されており、これまでに計400本以上の取付実績があるという。