具体的な世界の広告市場動向については、2022年1月〜3月期は北京冬季五輪の開催で前年同期比8.9%の成長。4月〜6月期、7月〜9月期は11月に行われる米国中間選挙による広告支出の増加もあり、それぞれ同10.3%、10.7%の成長を予想している。10月〜12月期はFIFAワールドカップ・カタール大会などの影響から、同9.2%の成長を見込むとしている。
媒体別では、世界の広告費をけん引するデジタルは動画広告、コネクテッドTV、プログラマティック、eコマースなどで14.8%成長し、2022年の広告費全体に占めるデジタルの割合は、初めてテレビの2倍以上となる構成比55.5%に達すると予測している。他方、屋外広告は12.8%の2桁成長を見込み、2019年の水準を上回る見通しだ。
主な成長が期待できる業種としては、コロナ禍の反動を見込む旅行業(10.3%成長の予測)と、継続的な需要増に加えてコロナ禍後の移動手段としての需要も見込む自動車関連(7.6%成長の予測)を挙げている。
一方、2022年の日本の広告市場は、デジタル広告(7.2%)とテレビ広告(3.2%)のけん引により、全体では3.5%の成長を予測している。デジタルは、2021年に引き続きeコマースやソーシャル広告、動画広告での増加を見込む。
2023年は、コロナ禍からの回復に伴って人流などが戻り、外食・各種サービスや交通・レジャーなどの業種が復調する見通し。そして、コロナ禍で抑制されていた個人消費の揺り戻しも期待されるため、安定的なプラス成長を継続していくとまとめた。
画像出典:電通グループ