NTTドコモは今月11日中旬から、電車内に搭載されるデジタルサイネージ「ダイナミックビークルスクリーン」を活用した動画配信サービス・ダイナミックDOOH事業を、以下3社との連携によって推進していくと発表した。デジタルサイネージを開発したのは、ビズライト・テクノロジーで、動画・広告を取り扱うのは、LIVE BOARD。埼玉高速鉄道が運営する鉄道車両内に掲出される。電車のなかで同技術が活用されるのは世界初の試みだという。
「ダイナミックビークルスクリーン」には、カメラとIoT機器を搭載。NTTドコモのLTE回線を使用しながら、電車内の混雑状況や温度・湿度などをAIで解析し、車両内外の環境変化を感知すると、必要に応じて自動で切り替わり、広告や周辺情報をリアルタイムで表示する。動画は一部広告枠としても販売。視聴数は、搭載されたカメラで計測できるため、広告効果の検証も可能となっている。
埼玉高速鉄道は、東京メトロ浦和美園駅から東京都心部を経由し、東急目黒線日吉駅までを縦断する首都圏の主要路線。これらを運行する車両のおよそ3分の1が、同社の車両となる。
埼玉高速鉄道車両内に順次設置され、来年4月から同社全車両に搭載して本格営業を開始する予定だ。今月21日には、浦和美園駅にて報道関係者向けの内覧会も開催する。4社は今回の取り組みを通じ、交通広告の効果的・効率的な運営と、有益な情報の提供、沿線価値および沿線住民の利便性向上を目標として掲げた。
「ダイナミックビークルスクリーン」の詳細は以下の通り。
- 車両内外のリアルタイムな環境変化に応じた広告表示
デジタルサイネージに搭載されたカメラとIoT機器が取得した、温度や湿度、混雑状況、乗車している人の性別・年代など情報を、解析・情報化し、車両内の環境変化に応じて広告を配信。AIで解析したデータをもとに、特定の個人を識別せずに広告接触状況も計測できる。
コンテンツの配信 - ドコモのLTE回線を使って車両外の天気や災害などの情報を取得し、リアルタイムに表示。ゲリラ雷雨などの天候情報を知らせたり、災害発生時には緊急速報配信するなど、迅速かつ有益な情報提供を行う。コンテンツを運用するのは、ビズライト・テクノロジー。将来的には、5Gネットワークでのサービス展開を見据え、実証実験なども検討していくという。