一次審査の結果について、特別審査員の若新雄純氏は、以下のようなコメントを残している。「人が人の発想やアイデアを見て、その優劣を評価するほど愚かで気持ちの良いものはありません。今回も、そんな絶好の機会をいただき申し訳なくも嬉しい複雑な気持ちでいっぱいです。応募いただいた290件のアイデアの多くは、最先端技術を用いた便利で未来的なものでした。僕はあえて、便利とはほど遠い、人間くさくてどこか懐かしい匂いのするプランを選ばせていただきました。最優秀賞を決めるにあたり、一般の方も投票に参加できるので、あかりとは何であるのか、何であってほしいのか、あえて大げさに話し合えたら嬉しいです」
一般投票対象の7つのアイデアは、以下の通り。
1.「安全のあかし安心のあかり」
歩道の路面を照らすあかり。通常時は、まちのあかりとしてまちを照らすが、災害時には、高台などの安全な避難場所への経路を示すあかりとして機能する。
2.「非接触型バイタルセンサー内蔵照明」
非接触型のバイタルセンサーを内蔵した照明器具。内蔵したバイタルセンサーが対象者の呼吸、脈拍などのバイタルを計測し、異常が感知された場合は、緊急通報する。
3.「侵入者防止包囲センサーライト」
ドロボー避けの見えない赤外線センサーではなく、見ただけで侵入を諦めさせる「見えるセンサーライト」。もちろん触れれば大きな音で警告する。
4.「住人灯色-JUNIN TOIRO-」
場所、光量、色温度、範囲を自由にカスタマイズでき、一人ひとりの生活シーンに合わせて変化するあかり。
5.「けんけんぱライト」
シーリングライト型のあかりで、床に“けんけんぱ”の枠が投影される。家のなかで安全に子どもが遊べるあかりとなっている。
6.「友達になれる『あかりの妖精』常夜灯」
寝室のシーリングライトの常夜灯。夜寝つきが悪かったり、目が覚めた子どもに優しく寄り添い、安心感を与えてくれる。声に反応し、異常を知らせたり、ともに遊ぶという機能を持つ。
7.「インビジブルライト」
照らすのではなく、先を見えなくするあかり。これを用いれば、簡単に空間の区画ができる。光なので通り抜けられるため、壁などの本来建築的に必要だったものが必要なくなる。