7. 旭堂看板店 水谷俊彦社長

数十万円をかけてロープ施工をPRするイラストを作成

SDGs、ドローン、QCDSの徹底
時代を捉えたビジネス構築が売り上げ2.5億円をつくり上げる

ニーズを先取りした取り組みは、ビジネスとして一本化し出したロープ施工にとどまらない。それ以外に現在注力しているのが、SDGsへの貢献だ。

例えば、項目のひとつである「4.質の高い教育をみんなに」の一環として、社内勉強会や部署内の掃除、資格取得の支援補助などを実施。これは前述した通り、以前から社内で実施していた通常業務のひとつだ。ほかにも、「17.パートナーシップで目標を達成しよう」として、サインの森や同友会との交流、「12.つくる責任 つかう責任」として看板のLED化、余った端材の再利用を推進するなど、これまで当たり前のように進めてきた業務や社内ルールの数々が、そのままSDGsへの貢献となり、ビジネスの充実、安定した収益にも一役買っているという。

SDGsへの取り組みにも注力している同社。社員の働き方、材料のリサイクルなど業界に関わる数多くの分野で実践している

さらに、2021年5月には、高所作業などで活用が模索されているドローンの飛行資格も取得。まだ安定したビジネスモデルは構築できていないものの、依頼があればいつでも稼働できる準備は整っている。

柔軟に時代の潮流を取り入れ、世界規模の大不況をも乗り越えてきた同社。これから先もアンテナを張り巡らせ、ひたむきに突き進んでいきたいと力を込める。今期は、水谷氏が社長就任してちょうど5年。ここからさらに5年先を見据えて考えた経営ビジョンの、結実となる2022年だ。当面の目標は、「ロープ施工の愛知県No.1」。そして、2024年までに、売り上げ2.5億円を達成するのが夢だという。

2021年5月に資格を取得したドローン。社内での飛行練習は欠かさない

そのための施策として、サイン事業部ではロープ施工のさらなる確立と、全国規模の施工管理体制の構築を模索。LED事業部でも、QCDS※2を徹底する事業部方針を掲げるなど、具体的な目標を定め、会社の成長につなげている。バイタリティを決して失わず、次々に新しい挑戦を続けている俊彦氏。同社の未来が、今後も楽しみでならない。

2008年に新しく作り替えた名古屋市の本社

  • 有限会社 旭堂看板店
    代表取締役:水谷俊彦
    本社所在地:愛知県名古屋市瑞穂区内方町2-8
    創業:1952年9月
    社員数:13名(2021年12月現在、パート・アルバイト含む)
    ホームページ:https://asahido-kanbanten.jp
    Instagram:asahido_kanban
  • ※1:現在は工場改装中のため、使用不可
  • ※2:Q=Quality(品質)、C=Cost(費用)、D=Delivery(納期)、S=Safety(安全)の頭文字。それぞれを可視化し、納期遅延や労働災害といったトラブルを防止する工場管理の考え方
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